バスドライバーの志望動機を例文付きで解説!書くときのポイントは?
「運転が好き」「子供の頃からバスの運転手さんに憧れていた」など、バスドライバーを目指すきっかけは人によって様々です。このようにきっかけは明確でも、履歴書や面接では、どのように志望動機を伝えるべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、バスドライバーの志望動機を例文付きでわかりやすく解説します。志望動機を書くときのポイントも併せてご紹介するので、面接官に好印象を与えたい方はぜひ参考にしてください。
バスの種類
バスドライバーと一口に言っても、どの種類のバスを運転するかによって仕事内容などが少々異なります。バスの種類によって求められる資質も異なるため、それぞれの種類別に面接官が見ているポイントもご紹介します。
路線バス
一般道路をメインに、決められた路線上でバス停ごとに停車しながら移動するのが、路線バスです。走行ルートやバス停への到着時間はあらかじめ決まっているため、時間を守って運行することが重要です。
路線バスは、小さな子どもからお年寄りまで幅広い世代が利用する地域の足となっているため、ただ単に運転するだけでなく、乗客に寄り添った対応が必要です。
「乗客は降車予定のバス停できちんと降りられたか」「足の不自由な人がいるから乗り降りをサポートしてあげよう」など、乗客の様子をしっかりと観察する必要があります。
適切なタイミングでの気遣いが求められるため、周囲をしっかりと観察して配慮できる姿勢があるかどうかがポイントです。
観光バス
観光バスは、観光ツアーや修学旅行などで観光客を乗せて走るバスです。その特徴は季節や観光スポットによって巡回ルートが変わる点にあり、観光ルートの見どころでは走行スピードを落とすなど、観光客をより楽しませる運転の工夫が必要です。
また、観光地の道路状況などによっては、ルートを変更するなどの臨機応変な対応が必要なこともあります。面接では、「人を楽しませたい」という気持ちがあるかどうかや、臨機応変な対応ができるかどうかが重視されます。
高速バス
高速道路を走行し、都市と都市を繋ぐのが高速バスです。長距離を移動することも多く、昼行と夜行がある点が特徴です。高速バスは移動の足としての側面が強く、乗客とのコミュニケーションはほとんどありません。
その代わり、特に夜行の場合は乗客の眠りを妨げないよう、なめらかなブレーキや静かなアナウンスを心掛けるなど、長時間の移動でも快適に過ごしてもらえるような気遣いが必要です。
高速バスのドライバーには、長距離でも集中して運転できるスタミナと、丁寧な運転ができる技術、適切な配慮が求められます。
送迎バス
送迎バスには、病院や商業施設と駅などを結ぶバスと、通学バスがあります。病院やテーマパーク、商業施設などと駅を結ぶ送迎バスは、1日を通して運行しています。
これに対して、幼稚園や学校、目的地と乗客の自宅を結ぶ送迎バスは決まった時間帯にしか運行していないため、どの送迎バスを担当するかによって勤務時間が変わることが特徴です。
送迎バスは商業施設や病院などのサービスの一環として行っているケースが多いため、運賃は無料の場合もあります。
バスドライバーの志望動機を作る際のポイント
バスドライバーの志望動機では、自身がバスドライバーとして活躍できることを面接官にしっかりアピールしなければなりません。ここからは、志望動機でアピールすべきポイントについてご紹介します。
なぜバスドライバーなのか
ドライバーと一口に言っても、バス以外にトラックやタクシーのドライバーも存在します。そのため、なぜドライバーなのかだけではなく、「バスドライバー」を選んだ理由を伝えましょう。
例えば、「自分が好きなバスの運転を通して、地域の足として多くの人々の役に立ちたいと考えたから」「幼稚園の子どもたちを安全に送り届け、子どもたちの笑顔を守る仕事をしたいから」などです。
なぜその企業なのか
バス会社は数多くあるため、その企業に応募した理由を明確にしなければなりません。各バス会社を比較し、企業ごとの特色を捉えた上で、その企業でなければならない理由を面接官へ伝えましょう。
「飲食業において培った接客力を活かしたいと考えており、ただバスを運転するだけではなく、高い接客サービスを重視しているという御社の理念と合致したため、応募させていただきました」「バスの運転が好きなのはもちろんですが、今までお世話になってきた地域の皆様への恩返しをしたいと考えており、地域に密着したサービスを提供している御社へ応募させていただきました」など、具体的な理由を伝えましょう。
保有資格・免許をアピールする
バスドライバー経験者に限らず、前職での経験や保有免許をバスドライバーの仕事と絡めてアピールすると効果的です。
特別な資格や免許でなく一般的な運転免許であっても、「普通運転免許を持っていて日常的に車を運転しています。今まで無事故・無違反で常に安全運転を心がけています」など、アピールできます。
また、「介護士としてお年寄りをサポートしてきました。段差の上り下りなど、お年寄りが困りやすいタイミングがわかるため、細かな気遣いを忘れず地域の人々をサポートすることができます」など、前職が全く違う業種であってもバスドライバーの仕事に絡めることができます。
具体的なエピソードを交える
自分の考えやスキルをただ述べるだけではなく、その考えに至った理由や、スキルが身についた経緯などを具体的なエピソードを交えて伝えることも重要です。エピソードを交えて述べることで、その考えやスキルに説得力が生まれるためです。
例えば、「学校の通学時に御社のバスを毎日利用していました。いつも”いってらっしゃい”や”おはよう”などと声をかけてくれる運転手さんのおかげで、楽しく学校へ行くことができました。自分もそんなバスドライバーになりたいと思った経験から、今回の応募にいたりました」など、具体的なエピソードが有効です。
自身の将来像を伝えられるとベスト
面接官は、「嫌なことがあってもすぐに辞めないか」「自社でどのように活躍してくれそうか」など、採用するメリットがあるかどうかを見て採用可否の判断をします。ここで自身の将来像を伝えることで、自分を採用することにメリットがあるとアピールしましょう。
「将来的にはどんなドライバーになりたいか」「どのように活躍したいか」を伝えることで、「目標に向かって頑張ってくれそうだな」という印象を与えられます。
「将来的には、安全と気遣いの代名詞として地域の皆様から名前を憶えてもらい、毎日気軽に挨拶してもらえるようなバスドライバーになりたいと思っています。」など、自分なりの将来像を伝えましょう。
バスドライバーの志望動機の例文
ここからは、面接でそのまま使えるバスドライバーの志望動機の例文をご紹介します。例文を参考にして経験やスキルを置き換え、自分なりの志望動機を作りましょう。
前職での経験をアピールする志望動機
「前職では、商業施設の警備の仕事をしていました。その際、送迎バスの便によって、降りてきたお客様の表情が全然異なることがとても気になっていました。
明るく挨拶をするドライバーの送迎バスから降りてくるお客様は、笑顔でこれからのショッピングを楽しみにしている様子が見て取れました。
一方、お客様と目も合わさず暗い表情のドライバーの送迎バスは、お客様がすでに帰る時間を気にしていたりイライラしている様子でした。
こうした場面を見て、バスはただの移動手段ではなく、お客様の気持ちにまで影響するものであることを知りました。
多くのお客様を笑顔のまま目的地へお連れして、降車後の時間をより楽しんでもらいたいと思い、御社の送迎バスドライバーへ応募させていただきました。」
運転好きをアピールする志望動機
「若い頃から車が好きで、免許を取ってからは毎日のように運転してきました。免許を取った頃は普通車を運転し、自分が好きな時に、好きな場所へ行っていました。
しかし、ある時私の車に乗った友人から運転技術を褒めてもらい、これをきっかけに”自分だけで乗るよりも誰かを乗せて運転する方が楽しい。誰かに喜ばれる運転がしたい”と思うようになりました。
これがきっかけとなり、私が好きな運転を活かすことで多くの人の役に立ちたいと思うようになりました。
御社の路線バスのドライバーになれましたら、多くの人に喜んでもらえる運転を続けていきたいと思っています。」
企業の強みを盛り込んだ志望動機
「バスドライバーを目指している中で、多種多様な企業様の募集広告を目にしてきました。その中でも、御社は”ただの移動手段ではなく、サービス業のように配慮の行き届いたバスを目指す”ことを掲げており、その理念に非常に共感いたしました。
バスドライバーの仕事は、運転だけでなく乗客への配慮も含まれるべきと考えていたため、ぜひ御社で働きたいと思い応募させていただいた次第です。」
ドライバー経験をアピールする志望動機
「今まで7年ほど、タクシーのドライバーとして勤務して参りました。タクシードライバーの仕事はとてもやりがいがあったのですが、次第に”もっと大型車両を運転したい”と思うようになりました。
タクシードライバーとして勤務してきた経験から観光地には詳しいため、観光バスのドライバーとして働きたいと思っています。長年のタクシードライバー経験の中で培ってきた対応力と運転技術を活かし、多くの人を喜ばせ、お役に立てるドライバーになりたいと思っています。」
自身のスキルをアピールする志望動機
「私の強みは、高い集中力を維持できることです。前職では工場での作業を担当しており、その集中力の高さから、ほかの作業員に比べて常に生産性が高いことが誇りでした。ほかの事に気を取られることなく、一つの事に集中して物事を進めることができます。
高速バスのドライバーは長距離を運転することも多く、高い集中力が求められます。私は、自分の強みである集中力を、御社の高速バスドライバーの仕事に活かしたいと考えています。
本来であれば自分のために使うことが多い集中力ですが、御社で多くの人のために使えれば幸いです。」
バスドライバーの志望動機における注意点とNG例
前章でバスドライバーの志望動機の例文をご紹介しましたが、作る上では注意しなければならない点もあります。
抽象的すぎるのはNG
漠然とした志望動機は、面接官の記憶に残りにくくなります。例えば、「人の役に立つ仕事がしたいから、バスドライバーになりたい」などは避けましょう。「人の役に立つ仕事がしたい」という部分が抽象的で、バスドライバーに特化した理由ではないためです。
この場合、「足の不自由な祖母が通院の際、いつも移動手段に困っており、私が送迎していました。病院へ行くのに移動手段がなくて困っている人の役に立ちたいと思い、病院への送迎バスのドライバーになりたいと思いました」などと具体的な内容を加えると効果的です。
運転が好きだけではだめ
「運転が好きだからバスドライバーになりたい」といった、よくある志望動機はおすすめできません。「運転が好き」というだけでは、トラックやタクシーのドライバーでもいいのでは?と思われてしまうためです。
そこで、運転が好きという情報に加えて、自分なりの体験談や活かせるスキルを入れ込みましょう。「街の顔とも言えるバスを安全に運転し、地域の活性化につなげたい」など、バスの運転手でなければならない理由が必要です。
企業研究はしっかり行おう
面接では、「他のバス会社にも応募しているのか」「他社に比べて弊社がいいと思った部分はあるか」などといった質問が来る可能性も十分にあります。そこで、事前にいくつかのバス会社を研究し、応募先となる企業の強みや特性を理解しておくことが欠かせません。
「”お客様の笑顔を増やしたい”という御社の考えに深く共感した」など、応募先企業を選んだ具体的な理由を答えられるようにしておきましょう。また、企業研究で得た情報を志望動機に絡めて伝えられると、よりベストです。
バスドライバーはバスを運転するだけではない!
バスドライバーは、乗客とのコミュニケーションがなく、ただバスを運転するだけだと思われがちですが、実は細かな気遣いが重要な仕事です。
バスの乗り降りに苦戦しているお年寄りを助けたり、乗車前後にエンジンやタイヤに異常が起きていないか車両点検を行ったりと、運転以外にも重要な仕事も多くあります。
バスドライバーの面接では、安全運転はもちろんのこと、運転以外の業務でも責任感を持ってやり遂げられるかどうかをきちんとアピールすることが大切です。
文責:働きやすい職場のミカタ編集部