トラックドライバーを目指すなら知っておきたいトラックの規格。トラックの大きさや種類を解説!

    トラックドライバーにとって、必要不可欠な相棒ともいえる存在なのが「トラック」です。一口にトラックといっても、用途やスペックなどに応じて大きさや種類はさまざまです。

    トラックドライバーが運転するトラックについて事前に把握しておくと、仕事そのものへの理解も深まりやすいでしょう。この記事では、トラックの規格、大きさ、種類などを解説していきます。

    トラックには定められた規格がある!

    街中や高速道路などで見かけるトラックに対し、「これは大きいな」「トラックのわりには小さいな」といった感想を抱いたことがある人は多いでしょう。一般的に、トラックの規格は小型、中型、大型の3種類です。ただしこれはあくまで一般的な区分であり、トラックの規格区分はほかにもいくつかあります。次項以降で、それぞれの規格の違いを解説します。

    道路運送車両法(車両法)での規格

    国土交通省では道路運送車両法(通称:車両法)を根拠にして、トラックの規格を分類しています。その規格は、車両法で定められている自動車の検査・登録・届出・強制保険の基準により軽自動車(軽トラック)、小型自動車(小型トラック)、普通自動車(中型、大型トラック)に分類されています。*1

    車両法での規格の特徴は、検査・登録・届出・強制保険が基準で、積載量や乗員定員などは関係がない点です。また、車体の寸法や排気量、車輪数などは、検査や届出などに関わる内容であるため、自動的に関係性が出てきます。

    出典:*1 国土交通省「自動車の種類」(https://www.mlit.go.jp/common/001324210.pdf)

    道路交通法による規格

    警察では道路交通法を根拠としたトラックを含む自動車の規格を使用しています。道路交通法による区分では、おもに車両総重量、最大積載量、乗車定員を基準にして普通、準中型、中型、大型となります。それぞれの数値については下記にまとめます。

    種別普通自動車準中型中型大型
    車体総重量3.5トン未満7.5トン未満11.0トン未満11.0トン以上
    最大積載量2.0トン未満4.5トン未満6.5トン未満6.5トン以上
    乗車定員10人以下10人以下29人以下30人以上

    出典:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html

    免許取得時の規格

    運転免許も、警察の区分と同じく道路交通法をもとに普通、準中型、中型、大型に分けられています。この中の準中型という区分は、トラックやバスなどの貨物自動車による交通死亡事故の削減と、若年層の雇用促進を目的として、2017年3月12日より新設された区分です。これ以前に普通自動車免許もしくは中型免許を取得していた人については、新たに準中型免許を取得する必要はありません。

    また、2022年5月13日からは、大型免許と中型免許の取得条件が一部緩和されました。緩和前は、大型免許が「21歳以上で普通免許保有歴3年以上」、中型免許が「20歳以上で普通免許の保有歴2年以上」と規定されていました。これが、緩和後は36時限以上の受検資格特例教習(座学7時限以上、技能29時限以上)の教習を受けることで、どちらの免許も「19歳以上で普通免許の保有歴1年以上」で受検資格を得られます。

    免許種別と受検資格を下記にまとめます。

    免許種別普通免許準中型免許中型免許大型免許
    受検資格18歳以上18歳以上20歳以上で普通免許の保有歴2年以上(受検資格特例教習の受講により19歳以上で普通免許の保有歴1年以上)21歳以上で普通免許保有歴3年以上(受検資格特例教習の受講により19歳以上で普通免許の保有歴1年以上)

    出典:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html

    高速道路での規格

    高速道路では料金区分が変化する関係上、トラックの規格を軽自動車、普通車、中型車、大型車、特大車に分類しています。ただし、この区分はその高速道路を運営している企業によって一部異なる場合があるため、走行前に料金区分がどうなるのか気になる場合は確認しておくとよいでしょう。ここでは、目安となる区分を紹介します。

    車種区分自動車の種類
    軽自動車軽自動車(軽トラック)二輪車
    普通車小型自動車普通乗用自動車トレーラ(けん引軽自動車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)
    中型車普通貨物自動車(車両総重量8トン未満かつ最大積載量5トン未満で3車軸以下のもの及び被けん引自動車を連結していないセミトレーラ用トラクターで2車軸のもの)
    マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下で車両総重量8トン未満のもの)
    トレーラ(けん引軽自動車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両及びけん引普通車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)
    大型車普通貨物自動車(車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上で3車軸以下、及び車両総重量25トン以下
    バス(乗車定員30人以上又は車両総重量8トン以上の路線バス、及び車両総重量8トン以上で乗車定員29人以下かつ車長9m未満のもの)
    トレーラ(けん引普通車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引中型車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両及びけん引大型車(2車軸)と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)
    特大車普通貨物自動車(4車軸以上で、大型車に区分される普通貨物自動車以外のもの)
    トレーラ(けん引中型車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引大型車と被けん引自動車との連結車両で車軸数の合計が4車軸以上のもの及び特大車がけん引する連結車両)
    大型特殊自動車
    バス(乗車定員30人以上のもの、または車両総重量8トン以上で車長9m以上のもの(いずれも路線バスを除く)

    出典:NEXCO 中日本「高速道路料金の車種区分を知りたい」https://highwaypost.c-nexco.co.jp/faq/toll/carmodel/26.html

    トラックメーカーが決めた規格

    トラック業界では、独自に「標準積載量」をもとにした規格で区分分けすることが一般的です。その区分は

    ・小型トラックに当てはまる車両は2トン(3トン)トラック

    ・中型トラックに当てはまる車両は4トントラック

    ・大型トラックに当てはまる車両は10トントラック

    となっています。

    国内では、日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそう、UDトラックスがシェアトップ4を占めています。いずれも、展開する車両サイズはほぼ同じで、

    ・平ボディ

    ・ドライバン

    ・トラクター

    ・クレーン

    ・ウイングバン

    などから用途や予算などに応じてカスタマイズすることが可能です。それぞれのメーカーの詳しい紹介は次項より記載します。

    日野自動車

    トヨタ自動車の連結子会社である日野自動車は、トラックのシェアが国内No.1を誇るメーカーです。日野自動車のトラックは、その頑丈さと万が一の故障や不調にもすぐに対処可能な整備性の高さから、さまざまな企業で導入されています。

    2023年2月現在、日野自動車からは2トン(小型)のデュトロ、4トン(中型)のレンジャー、10トン(大型)のプロフィアが展開されています。

    車種名規格
    デュトロ(DUTRO)2トン(小型)
    レンジャー(RANGER
    4トン(中型)
    プロフィア(PROFIA)10トン(大型)

    出典:日野自動車「商品」https://www.hino.co.jp/products/

    いすゞ自動車

    いすゞ自動車は、国内最古の自動車メーカーとしても有名で、現在でも一部ワンボックスや海外向けのピックアップトラックなども製造しています。国内向けのおもなラインナップとしては、トラックやバスなどが挙げられます。

    いすゞ自動車のトラックの特徴としては、経済性・安全性・耐久信頼性などが優れており、日本のみならずアジア、オセアニア地域でもトップシェアを獲得できている車種もあるという点です。2023年2月現在、2トン(小型)のエルフ、4トン(中型)のフォワード、10トン(大型)のギガが販売されています。

    車種名規格
    エルフ(ELF)2トン(小型)
    フォワード(FORWARD)4トン(中型)
    ギガ(GIGA)10トン(大型)

     出典:いすゞ自動車|「トラック」https://www.isuzu.co.jp/product/truck/

    三菱ふそう

    三菱ふそうは、2003年からドイツのダイムラー社の傘下に入ったトラックメーカーです。ダイムラー社傘下の強みを活かし、三菱ふそうのトラックのエンジンは同じ傘下のメルセデス・ベンツ製のものを使用しているため、性能の高さは折り紙つきです。とくに、日本を含めたアジア地域での販売台数が多いのも特徴の一つとして挙げられます。

    2023年2月現在、2トン(小型)のキャンター、4トン(中型)のファイター、10トン(大型)のスーパーグレードが販売されています。

    車種名規格
    キャンター(Canter)2トン(小型)
    ファイター(Fighter)4トン(中型)
    スーパーグレート(Super Great)10トン(大型)

    UDトラックス

    2019年にいすゞ自動車傘下に入ったUDトラックスは、もともと日産ディーゼルという社名でボルボ傘下にありました。現在でもボルボとの関係性は継続しており、ボルボブランドの製品輸入・販売も行っています。

    他メーカーと比較し、車体重量が重い分、エンジンやクラッチなどの機能が力強く、とくにけん引での運行が多い事業者から人気の高いメーカーです。2023年現在、2トン(小型)のガゼット、4トン(中型)のコンドル、10トン(大型)のクオンが販売されています。

    車種名規格
    ガゼット(Kazet)2トン(小型)
    コンドル(Condor)4トン(中型)
    クオン(Quon)10トン(大型)

    出典:UD Trucks|「Trucks」https://www.udtrucks.com/japan/trucks

    小型トラックとは?

    小型トラックは、その取り回しのよさや扱いやすさから、道が狭い都市部でも活躍できる車格です。ここでは、小型トラックの特徴や活躍できるシチュエーションなどを解説します。

    サイズなど

    トラックの規格を定めている機関やメーカーなどにより、寸法や重量の定義は多少異なることがあります。ここでは、道路運送車両法の保安基準での寸法や重量を紹介します。

    総重量3.0トン未満
    寸法全長4.7m以内・全幅1.7m以内・全高2.0m以内

    出典:国土交通省「自動車の種類」https://www.mlit.go.jp/common/001324210.pdf

    免許

    小型トラックの運転には、普通自動車第一種免許が必要です。普通自動車第一種免許は、18歳以上で視力や聴力などが一定以上あるか審査する適性検査に合格することが受検資格となります。普通自動車第一種免許の場合、指定教習所に通い卒業検定に合格後、運転免許試験場で適性検査と学科試験に合格すれば取得できます。また、運転免許試験場で一発試験に挑む方法もありますが、難易度が高く合格するのは難しいのが実情です。

    また、普通自動車第一種免許で運転できるのは、最大積載量が2トン・車両総重量が3.5トンまでのトラックです。これ以上は「準中型」の区分になるため、運転することはできません。なお、運転したい小型トラックがAT車であれば、AT限定の免許でも運転できます。

    小型トラックの活躍場所

    小型トラックは、配送センターや集積所、もしくは個人商店や個人宅などから近距離への運搬に強い車格です。宅配便業務やバイクの運搬、店舗などへの配送業務だけでなく、自動販売機の運搬や廃材の運搬など、その用途は多岐にわたります。

    また、小型といっても、寸法が4.0m以上のいわゆるロングタイプの小型トラックであれば、ある程度の長物を積み込むことも難しくありません。さらに、全幅が狭いため、都市部の細い道や住宅街の生活道路でも進入しやすいことも強みの一つです。

    中型トラックとは?

    そのポテンシャルの高さから長く人気のある車格が中型トラックです。ここでは、中型トラックの寸法や活躍できる場所を紹介します。

    サイズなど

    中型トラックの寸法や重量も、定めている機関やメーカーで多少異なる場合があります。また、中型の場合は準中型と呼ばれるものよりも少し総重量が軽い車格もあるため、ここでは中型と準中型トラックの寸法や重量を紹介します。

    準中型中型
    総重量3.5トン以上7.5トン未満7.5トン以上11トン未満
    最大積載量2トン以上4.5トン未満4.5トン以上6.5トン未満

    免許

    中型トラックを運転するには、中型免許を取得しなければなりません。受検資格は、普通自動車免許、準中型免許、大型特殊免許のいずれかを取得した後、2年以上の運転経歴が必要です。ただし、所定の教習を受講することにより、19歳以上で普通免許の保有歴1年以上あれば受検可能です。取得方法は、普通自動車第一種免許とほとんど差異はありません。*1

    一方で、準中型免許は普通自動車第一種免許の受検資格と全く同じです。つまり、運転免許を持っていない18歳でも、いきなり取得を目指せる資格となっています。準中型クラスのトラックを運転する仕事に就きたいと考えている人は、いきなりの取得も検討してみるとよいでしょう。*2

    また、普通自動車第一種免許を取得した時期によって、運転免許が「8トン限定中型免許」もしくは「5トン限定準中型免許」に該当している人もいます。これらに該当する人は、現行の中型免許を取得しようとする際には「限定解除」をする必要があります。限定解除は、運転免許を取得するよりも、費用も期間も短くて済むというメリットがあるのが魅力です。

    中型トラックの活躍場所

    いわゆる「4トントラック」と呼ばれる中型トラックは、さまざまな業種で活躍の場があります。短距離のみならず、中距離でも難なく走破できる性能があることから、拠点間の配送や都道府県をまたぐような引越し業務などで特に重宝されている存在です。

    一度に多くの荷物を運ぶことはもちろん、家畜や競走馬などといった生き物でも運びやすいのも強みの一つです。

    大型トラックとは?

    公道を走行できる車としては、日本では最大級のサイズである大型トラックの魅力は、小型や中型トラックでは感じられないものもあります。ここでは、大型トラックの寸法や活躍できるシチュエーションを紹介します。

    サイズなど

    大型トラックの場合、まず日本で公道を走行できる車の最大サイズが全長12m、全高2.5m、車両総重量25トン以下となっています。これ以下の数値で、なおかつ中型トラックよりも車両総重量の重いトラックが大型トラックと呼ばれています。具体的な数値は以下の通りです。

    総重量11トン以上25トン以下
    最大積載量6.5トン以上

    免許

    大型免許は、中型、準中型、普通、大型特殊免許のいずれかの運転免許を取得してから3年以上の運転経歴がある人が受検可能な免許です。したがって、年齢は21歳以上からでないと取得できません。ただし、中型免許と同様に、19歳以上で普通免許等を受けていた期間が1年以上あれば、所定の教習を受講することで受検資格を得られます。*1

    また、適性検査のひとつである視力検査をクリアするには、大型免許の場合は両眼で0.8以上、かつ片眼で0.5以上が必要です。

    大型トラックの活躍場所

    大型トラックは、一度に何トンもの荷物を長距離輸送できるということが最大の強みです。都市間輸送をメインとし、ときには数日かけて日本を縦断・横断しながらの移動が多くなります。

    取り扱う商材は多種多様で、生鮮食品、家具、建材、産業廃棄物などが挙げられます。また、グランドピアノや鉄骨など、ひとつひとつが大型の商材でも複数輸送することが可能です。

    トラックにはどのような種類(形状)がある?

    トラックは、運転席やエンジンなどが含まれる車体と、荷台の形状を意味するボディの二つに大別される車です。ボディがどのようなものなのかによって、トラックの用途が変わってきます。車体に連結できるボディには、小型・中型・大型トラックでさまざまな種類がありますが、ここではその中でもとくに利用されているものを紹介します。

    平ボディ

    平ボディは、トラックの規格にかかわらず採用されているボディタイプで、もっとも汎用的な形状です。荷台が軽量で、屋根もないため最大積載量に近い重さの荷物を積め、荷下ろしも容易です。さらに、屋根があると積みにくい形状の荷物も積めるといったメリットもあります。

    ただし、積載した荷物の種類によっては、輸送中に散乱してしまうおそれがあるため、その際は輸送前に荷物を幌(ほろ)やロープなどを用いてしっかりと固定する必要があります。

    ドライバン

    ボディ部分が密閉された箱のような形状をしているのが、ドライバンと呼ばれるものです。温度管理機能はとくに備えられておらず、外側はアルミ、内側の板はベニヤ板となっているものが一般的です。

    ドライバンは、荷崩れや落下を防止できる形状であるため、包装や固定を簡素化でき、安全性も高いことがメリットとして挙げられます。また、荷物を風雨や直射日光から防ぐことができ、品質保全にも強い形状です。

    ウィングボディ

    ウィングボディは、外見はドライバンタイプと同じような形状をしていますが、トラックの両側が開閉できるようになっています。開いたときの形が、鳥の翼を広げた姿に似ていることから、ウィングボディという名称になりました。ウィングボディのメリットは、ドライバンの利点はそのままに、両サイドからの荷下ろしや積み込みが容易で、手積みでもフォークリフトでも作業がしやすいところが挙げられます。また、荷台のスペースを無駄なく使えるので、細長い荷物でも積み込みがしやすいです。

    アルミタイプのウィングボディのほかにも、幌シートのウィングボディもあり、このタイプなら手動で簡単に開閉できます。さらに、幌シートは完成車にも取り付け可能なので、後から変更したい場合でも対応可能なのもメリットの一つです。

    冷凍車・冷蔵車・保冷車

    ボディに温度管理機能が搭載されているのが冷凍車と冷蔵車です。冷凍車は、中温車と低温車の2種類が運用されており、中温車で-5℃前後、低温車で-25℃前後まで冷却可能です。一方、冷蔵車は基本的に5℃前後が最上限となっています。

    また、保冷車というボディタイプもあり、これには温度管理機能は搭載されていません。ただ、内部に断熱構造が施されているため、一定時間なら温度を維持したまま輸送できます。短距離、短時間の輸送であれば、保冷車でも対応できるでしょう。

    キャブバッククレーン車(ユニック車)

    キャブバッククレーン車(ユニック車)は、トラックにクレーンが付いており、荷台に荷物を積み込んだり、荷台から荷下ろししたりする際に、クレーンを用いることができるようになっています。ほかにもトラッククレーンなどとよばれ、「ユニック車」というのは通称です。クレーンの吊り下げ重量は、0.5トン未満で、クレーンの操作には玉掛作業者の資格を保有している必要があります。

    ユニック車は、おもに建設現場での建材の荷下ろしで活躍します。梱包されたパレットもそのまま吊り下げて降ろせるため、荷下ろしや荷ほどきの手間が省けます。また、鉄筋やALCパネル(軽量気泡コンクリート建材)などといった、重量があったりかさばったりする建材でも、まとめて荷下ろしすることも可能です。もちろん、クレーンを用いず通常の平ボディのように輸送するために用いることもできます。

    ユニック車には安全確保のため、吊り上げ用フックの高さ制限、巻き上げ防止装置、過負荷防止装置、旋回動作時の挟まれ事故防止警報装置などがほぼ標準装備されています。また、クレーン作業中にはトラックの転倒防止に用いるアウトリガーを展開する必要があるため、その分のスペースを確保しなければいけません。

    ミキサ車

    ミキサ車は、生コンクリートが工場から施工現場まで固まらないように、常に回転させながら運搬することができるものです。コンクリートの品質保全のため、工場から90〜120分離れた場所までの運搬となるため、必然的にそこまで長距離を走行する機会は少ないのが特徴です。

    ミキサの内部では、より効率的に生コンを攪拌させるために、ミキシングフレームと呼ばれるブレードやフィンが備え付けられています。

    ダンプ車

    ダンプ車も一見すると平ボディと似たような形状ですが、違いは荷台を傾けて一度に積載しているものを降ろせる点にあります。砂利や土砂、飼料や産業廃棄物などの一度に降ろしても問題なく、かつそれ以外の方法では荷下ろしするのに手間がかかりやすいものを運搬するのに向いています。また、寒冷地では除雪した雪を積み、そのまま集積場や海に捨てるといった利用方法も見られます。

    ダンプ車は、公道走行に準じた規格のもののほかにも、「重ダンプ」と呼ばれる規格も製造されています。重ダンプは、最大積載量が11トンから300トン以上のものもあり、重量を支えるため全長に対しホイールベースが短く、タイヤ径も一般的なものとは比較にならないほど巨大なことが特徴です。おもに大規模なダムや採石場などで活躍する車両です。規格外のサイズなので、公道を走行することはできません。

    トレーラー(トラクター)ヘッド

    トレーラー(トラクター)ヘッドは、後方に荷台と車輪がセットになったトレーラーと呼ばれるものをけん引して輸送するタイプのものを指します。トラックは荷台と車両が一体化しているため、用途によって荷台の種類やサイズを変更することは難しいでしょう。しかしトレーラーであればトレーラーヘッド一台あれば、さまざまな種類のトレーラーに対応できます。トレーラーには、前輪のないセミトレーラー型と、前輪後輪ともにあるフルトレーラー型の2種類があります。日本で一般的なのは、セミトレーラーです。

    基本的に、フルトレーラー型のほうが車体が長くなることが多いため、車両のコントロールや右左折、駐車などに卓越した経験と技術が求められます。トレーラーでの運行に興味がある人は、まずはセミトレーラー型で慣れてからフルトレーラー型に挑戦することが望ましいでしょう。

    トラックの規格を知ろう!

    一口にトラックといっても、その規格は法律やメーカーなどの基準により、細かく分類されています。また、トラックの大きさや積載量などで、活躍できるシチュエーションが異なるため、まずはどのような規格があるかを把握しておくことが肝要となります。

    自分がトラックの運転そのものや業務内容などに対して、どのようなものを希望するのかをじっくりと検討してから、免許取得もしくは求人への応募にトライしてみるとよいでしょう。

    文責:働きやすい職場のミカタ編集部