トラックドライバー(運転手)の志望動機を例文付きで解説!印象を上げるポイントは?
未経験からトラックドライバーを目指す場合、どのような志望動機なら面接官に良い印象を持ってもらえるのか迷う方は少なくありません。この記事では、面接で好印象になりやすいトラックドライバーの志望動機を、例文付きで紹介します。志望動機を作成する際の注意点だけでなく、企業側は志望動機で何を見ているのかについても解説するので、自分なりの志望動機を作るための参考にしてください。
面接官は志望動機で何を見ているのか
面接での志望動機は、単に応募した理由だけを聞いているわけではありません。志望動機への受け答えは、採用可否の判断材料となっています。ここでは、面接官が志望動機の受け答えの際に何を見ているのかについて紹介します。
すぐに辞めないかどうか
企業側は採用するからには、なるべく長く勤務してもらいたいと考えています。特にトラックドライバーの仕事は、早朝・夜勤の勤務もあり、離職率が高い傾向です。志望動機を聞くことで、応募者にやる気があるか、熱意があるかを見極め、長く続けてくれそうな人物であるかを判断しています。
社内の人間・荷主と良好な関係を築けるか
志望動機の受け答えで、どれくらいのコミュニケーション能力があるかが判断されています。1人で運転する時間が長いトラックドライバーの仕事では、高いコミュニケーション能力は求められないことが多い傾向です。しかし、仕事をするうえでは、社内の同僚や先輩、上司だけでなく、荷主とも良好な関係を築いていく必要があるため、必要最低限のコミュニケーション能力がなければ、仕事を円滑に進められません。また、セールスドライバーの場合は営業活動も業務の一環となるため、コミュニケーション能力はもちろん、提案能力も求められます。
責任感があるか
面接官は応募者に会社の看板を背負ってもらっても問題ないレベルの責任感があるのかどうかを判断しています。トラックドライバーにとって、荷物を配送先にミスなく届けること、納期や荷物の到着時間を守ることは重要な使命です。勤務先である運送会社や取引先となる会社の看板を背負って運転するため、責任感が求められます。
安全運転への意識が高いか
運送会社にとって、最も避けたいのは「交通事故」です。職種によっては長時間の運転となることもあるため、応募者が安全運転に対してどれほどの意識を持っているかは欠かせない確認事項でしょう。仕事中に1人になっても気を抜かず、安全運転への意識を高く持ち集中力を保てるかどうかを、会社側は志望動機の受け答えで見ています。
トラックドライバーの志望動機の書き方
どこの面接でも必ずといっていいほど聞かれる、志望動機。ここでは、志望動機を作る際に、どのような情報を入れておくといいのか解説します。
資格・免許や経験を記載する
トラックドライバーの仕事では、中型自動車免許・大型自動車免許が必要になります。資格がなくても応募することは可能ですが、すでに免許があるのならば選考で有利になるので、志望動機の中で伝えましょう。また、フォークリフトなど物流系の資格がある場合も、選考で有利になる可能性があります。必要な運転免許や経験がない場合は、今後取得する意思があることをアピールするといいでしょう。
職種ごとに何が求められているのかを考える
トラックドライバーは、職種によって求められる能力が異なります。ルート配送ドライバーは、決まった走行ルートで1日に数件の取引先を回るため、配達時間をしっかり守って、効率的に取引先を回ることが求められます。
長距離ドライバーは、長距離の運転を1人でこなすため、高い集中力と責任感が不可欠です。
セールスドライバーは、営業活動が含まれるため、コミュニケーション能力が求められます。職種ごとに求められる能力が異なるため、求められる能力と自分の長所を結び付けて志望動機を作りましょう。
トラックドライバーを選んだ理由を述べる
志望動機ではなぜ数ある業界・職種からトラックドライバーを選んだのかを伝えましょう。経験者ならば、「今までの経験を活かせる」「スキルアップしたい」「活躍の幅を広げたい」など自分の経験と関連づけた志望動機がおすすめです。未経験者の場合は、「運転が好きだから中型自動車免許・大型自動車免許をとって新たなステージにチャレンジしたい」「生活の大事な基盤であるにも関わらず人手不足であるトラックドライバー業界に貢献したい」などでかまいません。
活かせるスキル・素質をアピールする
中型自動車免許や大型自動車免許だけが、トラックドライバーへ応募するためのアピールになるわけではありません。一見トラックドライバーに関係がないようなスキルや素質であっても、自分を売り込む材料になる可能性があります。例えば、接客業で培ったコミュニケーション能力、倉庫内作業や検品作業で培った長時間集中できる能力などは、トラックドライバーの仕事でも活かせるでしょう。トラックドライバーに活かせそうな経験やスキルをアピールすることで、未経験でも好印象を与えることができます。
具体的なエピソードを交える
志望動機は、具体的なエピソードを交えると説得力が増します。「コミュニケーション能力を活かしたい」「安全運転への意識が高い」など、ただ得意分野を挙げる方も少なくないでしょう。しかし、「前職の接客業では◯◯の部分を特に気をつけおり、その経験から得たコミュニケーション能力を活かしたい」「今まで10年間無事故で毎日運転しているほど、安全運転への意識が高い」など、具体的なエピソードや数字を交えるのがおすすめです。
【ルート配送ドライバー】志望動機の例文
ここでは、ルート配送ドライバーの志望動機の例文を紹介します。経験者と未経験者に分けて解説するので、参考にしてください。
経験者向けの例文①
前職は長距離ドライバーでしたが、ルート配送ドライバーの仕事に興味があり、志望いたしました。長距離ドライバーとして8年ほど勤めていたことから、集中力には自信があります。夜間の運転を担当することも多々ありましたが、経験で得た高い集中力により、8年間無事故で過ごすことができました。今後は、ルート配送ドライバーとしての経験も積み、よりトラックドライバーとして仕事の幅を広げたいと思っています。
経験者向けの例文②
中型トラックで定期便の配送業務に、4年間従事していました。手積みや手降ろしが必要な仕事だったことからハードではありましたが、心身ともに鍛えられたと思っています。苦労が多い仕事ですが、その中でも楽しみを見つけ、今ではドライバーの仕事が天職だと思えるようになりました。今までの経験を活かし、仕事の幅を広げて長く勤務していきたいと思っています。
未経験者向けの例文①
以前からトラックドライバーという仕事に憧れがあり、応募させていただきました。現在は普通自動車免許しか持っていませんが、入社後は精力的に勉強し必要な資格を取得したいと考えています。前職は営業をしており、コミュニケーション能力には磨きをかけてきました。顧客とは密にコミュニケーションを取り、常に要望に沿ったご提案をすることで月間営業成績をキープしていました。こうした能力を活かし、活躍の場を広げたいと考えています。
未経験者向けの例文②
物流業界において社会貢献したいと思い応募いたしました。ドライバーの仕事は未経験ですが、社会貢献への強い熱意は誰にも負けません。物流の仕事は今後も需要がなくなることはないと考えており、長く勤務できることも志望した理由です。前職では倉庫内作業をしていたため、集中力には自信があります。免許などは入社後に取得することになりますが、集中力の高さを活かして早く活躍できるようになれればと思っています。
【長距離ドライバー】志望動機の例文
ここでは、長距離ドライバーにおける志望動機の例文を紹介します。経験者と未経験者に分けて解説するので、参考にしてください。
経験者向けの例文①
私は前職で7年間、長距離ドライバーとして働いていました。勤務中の7年間は到着時間に遅れたことがなく時間管理が得意です。これは、日々仕事と真摯に向き合い、健康管理を欠かさなかったことが功を奏したと考えています。今回御社を志望したのは、長距離ドライバーとしての活躍の場を広げたかったからです。今までのスキルを活かし、時間通りに運行できるトラックドライバーを目指したいと思っています。
経験者向けの例文②
今までは短距離のドライバーとして働いていましたが、重い荷物を扱っていたことから体力には自信があります。御社の商材も◯◯など重量があるものがほとんどですが、持ち前の体力で積み荷の積み下ろしも素早くこなすことができると考えています。短距離ドライバーとして培ってきた集中力と安全運転への意識をより高め、ドライバーとしてスキルアップしたいと思い、御社へ応募させていただいた次第です。大型自動車免許は取得しています。
未経験者向けの例文①
現在は事務の仕事に従事していますが、トラックドライバーに従事したいと思い志望いたしました。運転することが昔から好きで、中でも大型車には強いあこがれを抱いていました。事務の仕事では、コツコツと仕事をこなす集中力を養ってきました。長距離ドライバーでは長時間一人で集中する力が求められると思いますので、あこがれの職で長く活躍できるよう精進したいと考えています。
未経験者向けの例文②
御社を志望いたしましたのは、大型トラックを運転したいと考えていたからです。倉庫内作業の仕事でフォークリフトの資格を取得しています。この資格を活かして活躍したいと思い、今回志望するにいたりました。実務経験はありませんが、安全運転への意識が高く集中力もあると自負していますので、これらを活かして従事できればと考えています。
【セールスドライバー】志望動機の例文
ここでは、セールスドライバーの志望動機の例文を紹介します。経験者と未経験者に分けて解説するので、参考にしてください。
経験者向けの例文①
セールスドライバーとして3年間勤務してきた経験があります。商品の配送はもちろん、クレーム対応を含む顧客対応も担当してきました。様々な業務を担当する中で、苦しいことも多くありましたが、感謝されることもあり、やりがいを強く感じてきました。今回はより幅広い人と関わり、セールスドライバーとしてスキルアップしたいと思い御社を志望させていただきました。
経験者向けの例文②
長距離ドライバーとして従事してきましたが、仕事の幅を広げたいと思い、御社のセールスドライバーを志望しました。 持ち前の明るさで顧客と世間話をする仲になったこともあります。この明るさを仕事でも活かしたいと思い、今回セールスドライバーへの転職に挑戦しています。コミュニケーション能力を活かし、信頼されるセールスドライバーとして活躍したいと考えています。
未経験者向けの例文①
セールスドライバーの仕事は未経験ですが、前職ではピザの宅配業務にも携わっていました。宅配業務に携わっていく中で配送の仕事の重要性、そしてやりがいについて知り、今回御社を志望させていただきました。まったく違うフィールドでの仕事になりますが、宅配業務で培った効率良く商品を提供するために最適なルートを導き出す力を活かせるのではないかと考えています。普通自動車免許は持っていますが中型自動車免許・大型自動車免許は持っていないため、精力的に勉強し取得したいと思っています。
未経験者向けの例文②
現在営業職に従事しており、培ってきたコミュニケーション能力や提案能力をセールスドライバーとして活かしていきたいと思っています。普通自動車ではありますが毎日運転をしていましたので、安全運転を意識することも日々の習慣となっています。とはいえ、新しい業界となりますので、基礎をしっかりと学び長く勤務できるように努力していきたいと考えています。
トラックドライバーの志望動機で注意する点
トラックドライバーの志望動機では、避けたほうがいい内容もあります。ここでは志望動機で避けたほうがいい内容を3つ紹介します。
ネガティブな転職理由は書かない
ネガティブな発言は、面接官に与える印象を悪くしてしまいます。例えば、前職の会社の悪口や自分の苦手分野だけを挙げてしまうと、ネガティブな印象しか残りません。「前の会社はブラック企業だったから辞めた」「人と話すのが苦手だから、コミュニケーションが必要ないドライバー職を希望した」などの内容は避けてください。
定型文をそのまま使わない
どの業界や企業でも通用するような定型文をそのまま使うと、自分らしさを表現できません。また、ありきたりな定型文をそのまま使ったことがばれてしまうと、面接官からの印象も悪くなってしまうでしょう。定型文は参考までに留め、自分なりのエピソードを入れたり自分の言葉に言い換えたりすることが大切です。
興味本位だけの志望動機はNG
「興味が湧いたから」など、興味本位だけと捉えられる志望動機は避けましょう。面接官が志望動機を聞くのは、「どうしてこの企業に入りたいのか」だけを純粋に知りたいからというわけではありません。仕事に対するやる気や熱意を知るためでもあります。これからの展望も付け加えることで、より熱意が伝わるでしょう。
志望動機が面接の結果を左右する
志望動機はやる気や熱意、人となりなどを判断するためのものでもあります。これまでどのような経験をしてきたのか、今までの経験をどのように活かしていきたいのかといった具体的な内容を伝えると面接官にも好印象です。トラックドライバーの仕事を通じて、今後どのようになっていきたいのかについても、自分なりの回答を用意しておくといいでしょう。
文責 働きやすい職場のミカタ編集部