高速バスドライバーの仕事内容とは?仕事の魅力・きつい点を徹底解説!
たくさんの人々を乗せて、長距離を移動する高速バスドライバー。運転以外にどんな仕事をしているのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、高速バスドライバーの仕事内容や、仕事の面白み・きつい点などを紹介します。高速バスドライバーに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
高速バスドライバーの仕事内容
高速バスドライバーは運転がメインの仕事ですが、実は運転以外にも仕事があります。ここでは、高速バスドライバーの仕事内容を紹介します。
高速バスの運転
もっともメインの仕事は、高速バスの運転です。都市と都市を結ぶ高速バスは、長距離を移動する場合が多く、運転している時間が仕事のほとんどを占めます。
また、高速バスには昼行と夜行があり、一般道路だけでなく高速道路も運転します。お客様を時間通りに目的地まで送り届ける使命があるため、時間や道路によって変わる交通情報を把握して、状況に応じたスムーズな運転が必要です。
車体点検
高速バスの出発前に、車両の点検業務を行います。点検する項目はナットのゆるみやタイヤの空気圧の確認、エンジンルームを開けてエンジンやオイル周りの確認などが必要です。
また、車内ライトのチェックなど、車内の点検も行います。車体の点検は、安全にたくさんのお客様を目的地に届けるため、欠かせない重要な仕事です。
車内の清掃
目的地に到着した後は、車内の清掃を行います。清掃では、ゴミや食べ残しの掃除はもちろんのこと、お客様の忘れ物がないかも確認します。
座席の上だけでなく、荷物入れや座席の下などの確認も必要です。次に利用するお客様に気持ちよく使ってもらうため、車内をきれいに保つ清掃も、重要な仕事のひとつです。
健康管理も仕事のうち
健康管理も、とても重要です。高速バスは長時間の運転や夜間の走行もあることから、体調管理に気をつける必要があります。
高速バスドライバーの月の休日は、8〜9日が一般的です。普段の私生活においても、飲酒をしすぎない・睡眠をしっかりとる・栄養バランスの取れた食事を心がけるなど、意識しなければなりません。
特に夜行バスの運転を行う場合、運転中に眠くならないように、十分な睡眠が必要です。
企業によっては健康診断を年2回実施するなど、社員の健康をサポートする福利厚生がある場合もあります。また、一定の年齢を超えた社員へ、会社負担で脳ドッグや睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてもらう会社もあります。
過労運転にならないよう、企業もドライバーも注意が必要です。
高速バスドライバーのメリット・仕事の魅力
高速バスドライバーにはメリットがたくさんあります。ここでは、高速バスドライバーの仕事の魅力について紹介します。
旅行感覚で仕事ができる
メリットの1つ目は、旅行感覚で仕事ができることです。高速バスは都市と都市を結ぶ役割を持っており、仕事の一環で日本各地へ行くことができます。休憩中や到着後の現地で、ご当地グルメや現地の有名なレストランへ行くなど、旅行気分を味わえるでしょう。
目的地もその都度変わるため、都会の夜景や田舎の広大な景色など、その時々で違った景色を楽しめるのも大きなメリットです。
さまざまな土地の食や景色を楽しみながら、新鮮な感覚で運転ができるのも高速バスドライバーの魅力です。
最新の車両に乗れる
最新の車両に乗れることも高速バスのメリットです。路線バスと比べて、高速バスは新型車両が短期間で導入されます。
話題の最新車両にいち早く乗れるため、車の進化を肌で感じられるでしょう。新たに導入された運転支援機能などを体感できることは、車好き、運転好きの人にはたまらないメリットです。
コミュニケーションが少ないものの感謝の言葉をもらえる
高速バスドライバーは、お客様とのコミュニケーションが少ないものの、感謝の言葉をもらえる場面が多々あります。
ほとんどの時間を1人で運転する上に、路線バスと比べると乗り降りする場面も少なく、コミュニケーションを取るタイミングも多くありません。
しかし、お客様から感謝される場面は意外にも多いのです。夜行バスでは、静かな走行やアナウンスを意識することで、感謝の言葉をいただくことがあります。
休憩中に「お疲れ様です」と声をかけてもらったり、目的地に到着後「ゆっくり休めました」「ありがとうございました」と感謝の言葉をもらえたりした時には、やりがいを感じます。
高速バスドライバーのデメリット・きつい点
高速バスドライバーの仕事にはメリットがある一方で、もちろんデメリットやきつい点も存在します。ここでは高速バスドライバーのきつい点を紹介します。
運転に慣れるまでは緊張する
運転に慣れるまでは、緊張するドライバーが多くいます。大型バスは全長12mもあるため、高度な運転技術が必要です。慣れるまでは、曲がり角や道幅の狭い道路、駐車などで緊張します。
しかし、免許を取得した後にすぐ現場へ出るわけではありません。バス会社によって異なりますが、免許取得後も研修を行うところが一般的です。
免許取得後に数ヶ月の運転研修・座学研修を受けて、試験に合格した社員のみが現場へ出られる、といった企業もあります。
また、初めから1人で現場に出て運転するわけではありません。最初の数ヶ月はベテランの運転手がついて、運転を指導してくれるところもあります。
拘束時間が長い
拘束時間が長いこともデメリットの1つです。都市間を結ぶ高速バスは長距離移動になる場合が多いため、拘束時間が長くなりがちです。
ただし、運転時間が長くならないように休憩が入ります。ワンマン体制なら2時間に1回、ツーマン体制なら運転手の交代が入るのが一般的です。
また、目的地に到着した後も次の運転まで、ホテルや借り上げマンションなどで休息をとることができます。そのため、拘束時間は長くても休憩の頻度が高く、過労運転にならないような配慮がされています。
高速バスドライバーの1日の流れ
高速バスドライバーは一般的な会社員と比較すると、仕事の始業時間や終業時間が異なります。ここでは、夜行バスを担当するドライバーの1日の流れを紹介します。
営業所に到着
夜行バスでは多くの場合、夜の19〜21時の間に車庫を出発するため、間に合うよう営業所へ出社します。出社したらロッカールームへ行き、制服に着替えます。
制服に着替えたら次は、アルコールチェックです。
乗務するバス・ダイヤを確認
アルコールチェックに問題がなければ、営業所の入り口で自分が乗務するバスのダイヤと車番を確認します。
出発前の車両点検
出発前にバスの車両点検を行います。タイヤの空気圧やナットのゆるみがないか、エンジンやオイル周りのチェック、車内のチェックなどを行います。
出発
車両点検に問題がなければ、車庫から出発です。都内から出発する場合は、東京駅や新宿などの2〜3か所で乗客を乗せながら、目的地へ向かいます。
目的地へ向かう道のりも、2時間に1回は休憩か、2人体制の場合は運転手を交代しながら運行します。
到着したら車内清掃へ
2〜3か所で乗客を降ろしながら、翌日の朝7~9時頃に目的地へ到着します。目的地へ到着したら、ゴミや忘れ物がないか確認しながら、車内を清掃します。
清掃が終わったら、周辺の宿泊施設で次の乗務(夜の19〜21時頃)まで休憩です。
帰宅
夜の19〜21時頃に再び出発して乗客を乗せつつ、最終目的地の東京へ向かいます。翌日の朝、東京へ到着します。
東京に着いたあとは、営業所に戻って簡単に車内を清掃し、私服に着替えてから帰宅します。次の乗務までは、自宅で休憩します。ここまでの流れを2~3往復すると休日です。
高速バスドライバーの給与は?
多くの場合、高速バスドライバーの給与体系は月給制です。厚生労働省の令和3年度賃金構造基本統計調査によると、営業用バス運転者の年収は、平均年齢53歳で404万円程となっています。月給は28万円程度です。
ただし給与は、地域や年齢、バス会社によっても異なります。また、運転する距離、昼行か夜行かによっても手当が変わります。
高速バスドライバーにはどんな免許・資格が必要?
高速バスドライバーには、大型二種免許が必要です。大型二種免許は、営業ナンバーを用いた営利目的の旅客運送を行うための資格です。
大型二種免許の受験資格には「普通自動車免許取得から3年以上経過」という条件があるため、免許を取得したばかりの人はすぐに受験できません。
ただし、大型二種免許の資格を持っていなくても、バス会社の求人に応募できます。多くのバス会社では資格取得支援を行なっており、「普通免許取得後3年が経っているが、大型二種免許を持っていない人」であれば、免許がなくても面接で不利になるケースは少ないです。
入社してから免許を取得できるように、費用を全額もしくは一部負担してくれる会社もあるため、確認してみましょう。
高速バスドライバーに向いている人
高速バスドライバーに向いているのは、以下のような人です。
- 責任感の強い人
- 自己管理ができる人
- 細かな気遣いができる人
高速バスドライバーは、停留所や目的地への到着時間を、しっかり守る責任があります。そして、一見地味な点検作業や清掃作業も、安全で気持ちよく利用してもらうために必要な業務です。地味な作業も手を抜かずに丁寧に行える、責任感のある人が活躍できます。
また、安全に走行できるように、体調管理を徹底しなければなりません。休憩時間が長いからといって飲酒しない、体調を崩さないよう食生活や睡眠不足に気を付けるなど、自己管理が必須です。
長距離移動では、お客様が快適でリラックスできる環境作りも重要になります。急ブレーキにならないよう注意する、休憩地に着いたからといって急に明かりをつけない、など細かな気遣いが必要です。
高速バスドライバーは異業種からの転職も多い!
大型車両を運転するからには、それなりの運転技術と経験がないと難しいのでは?と思われがちです。しかし、実は運転経験がそれほどない方でも、転職しているのが高速バスドライバーの面白いところです。
飲食業やサービス業、営業職などの異業種から転職している方も多くいます。運転技術は入社してから身につけられるため、重視されているのはやる気や人柄です。
大型免許を持っていない人も、採用している会社があります。高速バスドライバーになりたい方は求人を探して、応募してみましょう。
文責:働きやすい職場のミカタ編集部