ドライバーの面接対策と事前準備!聞かれることと回答例を紹介
ドライバーに限らず、どのような仕事に就職・転職するときにも面接があります。「どのような質問をされるのか」「どのような回答をすればよいか」といったことが気になり、緊張する人も多いでしょう。
この記事では、ドライバーの面接対策とともに、事前にやっておきたい準備について解説します。面接でよくある質問に対する回答例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ドライバーの面接前に準備すべきこと
ドライバーの面接を乗り切るためには、面接でよく聞かれる質問への対策を考えることも大切です。しかし、その前に、必要な準備に取り組んでおいたほうがよいでしょう。ここでは、面接に向けてやっておきたい事前準備について解説します。
持ち物の確認
面接に行く際はさまざまな持ち物が必要です。面接当日の朝は慌ただしくなるため、持ち物は遅くとも前日までに揃えておくことをおすすめします。具体的には、以下の持ち物を準備しましょう。
・履歴書
・職務経歴書
・A4サイズのクリアファイル
・メモ帳
・ペン
ドライバーの面接の場合、自動車安全運転センターが発行した「運転記録証明書」や「無事故・無違反証明書」があるなら、念のためにコピーを持参するとよいです。志望先から個別に指定されたものがあれば、あわせて忘れずに持参してください。
面接場所の確認
余裕を持って面接場所に到着するためには、事前に面接場所を確認しておくと安心です。面接場所の住所だけでなく、最寄り駅も把握しておきましょう。また、最寄り駅から面接場所への具体的な道順や所要時間も調べておけば、当日スムーズに向かえます。
面接場所には、遅くとも10分前には到着すべきです。そのためは、電車の乗り換えについてもあらかじめ確認しておく必要があります。何らかの理由により電車が遅延する可能性もあるため、なるべく早く到着できるようにしましょう。
服装の準備
ドライバーの面接の場合、志望先の企業から特に指定がなければ、ビジネススーツを着て行くのが無難です。スーツの色は、黒、ネイビー、グレーのいずれかが適しています。
Yシャツは白または水色を選びましょう。華美ではないネクタイを選び、革靴は面接当日に備えてきれいに磨いておいてください。
また、A4サイズの書類を入れられる手提げのビジネスバッグを持参しましょう。面接にリュックは適していないため、注意が必要です。
ただし、企業の中には、面接の服装として私服を指定しているところもあります。その場合も、ビジネスカジュアルを意識した服装にしましょう。着古したTシャツやダメージ加工が施されている服などは避けたほうがよいです。
企業研究をしっかりする
面接を受ける際は、必ず事前に企業研究を行う必要があります。面接で企業に関する質問をされた際にうまく答えられないと、企業研究に力を入れていないことが面接官に伝わってしまうかもしれません。その場合、志望度や熱意が低いと判断される恐れがあります。
企業研究をしていれば「なぜ他の企業ではなく、うちを選んだのか?」という質問にも、明確な根拠を示しながら答えることが可能です。志望先のホームページや求人情報などによく目を通し、同業他社とも比較したうえで面接に挑みましょう。
必ず聞かれる質問は回答を準備
面接では各企業が自由に質問できますが、実際には必ず聞かれる質問がある程度決まっています。具体的には、「志望動機」「自己PR」「前職の仕事内容」は、どの企業の面接でもほぼ必ず聞かれるでしょう。
必ず聞かれる質問に対しては、あらかじめ回答を準備しておくのがおすすめです。企業研究や自己分析を行ったうえで回答を準備すれば、面接で自分自身をしっかりアピールできます。また、その場で考える必要がないため、落ち着いて答えやすくなるでしょう。
面接でよく聞かれることと回答例
すでに説明したとおり、面接でよく聞かれる質問はおおよそ決まっています。事前に回答を準備しておき、面接の場で焦らないようにしましょう。ここでは、面接でよく聞かれる質問とその回答例を紹介します。
簡単な自己紹介
面接では、最初に「簡単な自己紹介をお願いします」と言われるパターンが多いです。ここでは、1分以内で簡潔に自分の人となりを伝えましょう。具体的には、氏名や現在の仕事内容を説明し、「本日はよろしくお願いいたします」の一言で締めくくります。
【簡単な自己紹介の回答例】
◯◯と申します。私は△△大学を卒業後、□□株式会社で3年間営業職に従事してきました。持ち前の明るさを活かし、どのようなお客様とも円滑なコミュニケーションをとることができています。御社においてもこのスキルを活かし、多くのお客様から信頼されるドライバーとして活躍したいです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
志望動機
志望動機を聞かれたら、ドライバー職を選んだ理由とともに、トラック・バス・タクシーのいずれかを選んだ理由を伝えましょう。また、数ある企業の中から志望先を選んだ理由についても伝える必要があります。
単に「運転が好き」と答えると「運転できるなら、どんなドライバーでもいいのか?」と思われてしまうため、志望理由としては避けるべきです。
また、「給料が良い」という理由をあげた場合、「給料が高い他の企業や職種でもいいのではないか?」と思われる恐れがあるため、注意しましょう。志望理由は、しっかり企業研究をしたうえで考えることが大切です。
【志望動機の回答例】
自分自身のコミュニケーション能力をより活かせる仕事がしたいと思い、御社のタクシードライバーを志望いたしました。私は現在トラックのドライバーとして働いており、訪問先でどのような相手ともスムーズにやり取りできています。タクシードライバーの仕事はこれまで培ってきた運転のスキルも活かせるため、魅力を感じています。
前職での仕事内容
ドライバーの面接では、前職での仕事内容も詳しく聞かれます。特に、ドライバーの経験がある場合は、運転していた車両の大きさ、担当エリア、運んでいたものの種類などを質問されるでしょう。
未経験の場合は、ドライバーの仕事に役立ちそうな経験がなければ無理にアピールする必要はありません。未経験でもドライバーを採用している企業は多いため、自信を持って面接に臨むことが大切です。
【前職での仕事内容の回答例】
前職では、工場の製造ラインで部品の組み立てに従事していました。同じ部品を黙々と組み立てる必要があるため、集中力が身についたと感じています。そのため、ドライバーとして長距離を運転する場合も、安全運転を継続できると考えています。また、夜勤にも慣れており、夜間の運転にも対応可能です。
退職理由
面接で退職理由を聞くのは、採用後に長く勤められるかどうかを見極めるためです。企業は、嫌なことがあるとすぐに辞めてしまう人材は採用したくないと考えています。
退職理由は答えにくいと感じる人も多いかもしれませんが、基本的には正直に伝えましょう。ただし、ネガティブな内容は、できる限りポジティブに言い換える必要があります。特に、人間関係のトラブルや前職の問題点をあげることがないよう、気をつけてください。
【退職理由の回答例】
現在、契約社員として介護施設の送迎ドライバーとして働いています。介護施設には、自由に動くのが難しいために送迎を必要としている人が多いです。そのような多くの人の役に立てる送迎ドライバーの仕事には、大きなやりがいを感じます。しかし、現在の勤め先では正社員になるのが難しい状況です。今後もドライバーとして多くの人の役に立ちたいと考えており、正社員のバスドライバーになるため転職活動をしています。
長所と短所
面接では、ドライバーに向いているかだけでなく、長所や短所などの人柄も見られています。長所や短所を自分で見つけるのは簡単ではないため、過去を振り返ったり、家族や友人などに聞いてみたりして少しずつ探しましょう。長所と短所は表裏一体であり、両者に関連性を持たせて話すのがポイントです。
【長所と短所の回答例】
私の長所は物事を慎重に考えられるところです。これまで私は、さまざまな角度から検討したうえでお客様へ最適な提案をしてきました。その結果、複数の提案の中から選んでいただく機会が多くあり、顧客の満足度に繋がっていました。
一方、短所は、慎重に考えるあまり行動を起こすまでの時間が長いところです。物事に丁寧に向き合う姿勢を大切にしつつ、今後は意思決定のスピードも重視したいと考えています。
運転経験や事故・違反歴
ドライバーを採用している企業は、安全運転ができる人材を採用したいと考えています。そのため、運転記録証明書の提出を求めたり、面接で確認をとったりするケースも多いです。
過去に事故や違反の履歴がある場合は、嘘をつかず正直に伝えましょう。そのうえで、現在はどのようなことを心がけて運転しているかも伝えることが大切です。
【運転経験や事故・違反歴の回答例】
私は3年前、運転中に一時停止を見落としてしまい、違反となりました。現在は、スピードを必要以上に出さないよう日頃から意識し、見落としを防いでいます。
勤務可能な時期
基本的に、企業は採用した人材にできる限り早く入社してほしいと考えています。とはいえ、人によって事情はそれぞれ異なるため、志望先の企業が希望する時期に入社できなくても問題はありません。
特に、働きながら転職活動をしている場合、退職手続きや引き継ぎなどが必要であるため、すぐには仕事を辞められないでしょう。勤務可能な時期を質問されたら、自分の状況について丁寧に説明することが大切です。
【勤務可能な時期の回答例】
在職中につき、最短で2ヶ月後から勤務可能です。現職の業務の引き継ぎにかかる期間を考慮すると、2ヶ月程度かかると思われます。
自己PR
自己PRを聞かれたら、前職や現職の仕事において培った経験やスキルを示し、志望先でそれをどのように活かして活躍したいか伝える必要があります。前職や現職がドライバーとは直接関係ない場合でも、なるべくドライバーの仕事に役立つ内容を話しましょう。
【自己PRの回答例】
これまで営業職として5年間働き、毎日車を運転してきました。訪問先へ時間厳守で到着するため、常に最も効率的なルートを考えて運転しています。御社の配送ドライバーとして採用された際も、これまでの経験を活かして効率的に配送できるよう努力する所存です。
入社後はどうなりたいか
面接では、入社後の展望についても質問されます。入社直後にどう活躍したいかと聞かれるだけでなく、5年後や10年後などの姿について質問される場合もあるでしょう。
将来像を聞き、仕事に対する熱意や適性を判断するのが狙いです。実際に自分がドライバーとして働く姿をイメージし、回答を考えてみてください。
【入社後はどうなりたいかの回答例】
まずは中型トラックのドライバーとして、一人前になりたいと考えています。また、ゆくゆくは大型免許も取得し、大型トラックのドライバーとして活躍したいです。大型トラックのドライバーとしての経験をある程度積んだ後は、若手のドライバーの育成にも従事したいと思っております。
飲酒の頻度が下がるかもしれないが問題ないか
ドライバーは運転が業務のメインとなるため、飲酒運転にならないよう対策を徹底する必要があります。企業によっては「今後は飲酒の頻度が下がるかもしれないが、問題ないか?」という趣旨の質問をする場合もあります。
飲酒の頻度について質問された際は、運転の業務に支障が出ないよう飲酒をコントロールできることを伝えましょう。
【飲酒の頻度が下がるかもしれないが問題ないかの回答例】
普段から飲酒は嗜む程度であるため、問題ありません。業務に支障が出ないよう、仕事の前日は飲まないようにするなど、さらに注意したいと考えています。
他にも受けている会社があるか
面接では、運送会社、バス会社、タクシー会社など、他にもドライバー関連の志望先があるか聞かれる場合があります。この質問をするのは、ドライバーの仕事に対する熱意や自社の志望度を確認するためです。
答えにくいと感じるかもしれませんが、基本的には正直に伝えて構いません。他にも志望先がある場合は、どのような点に魅力を感じているかについても伝えましょう。
【他にも受けている会社があるかの回答例】
◯◯タクシーのドライバーにも応募しています。◯◯タクシーは地域に根ざした会社である点に魅力を感じました。顧客を第一に考えてサービスを提供している点は、御社とも共通していると感じます。
逆質問
企業によっては、面接の最後に「何か質問はありますか?」と逆質問するケースがあります。逆質問を行うのは、自社へどの程度興味を持っているか確認するためです。
給与、福利厚生、残業の有無といった労働条件に関する内容は求人票を読めばわかるため、質問しないほうがよいでしょう。逆質問では、仕事内容や働く現場の環境などについて質問するのがおすすめです。
【逆質問の回答例】
入社できた場合、研修期間はどれくらいでしょうか?早く一人前のドライバーとして活躍したいと思っているため、教えていただきたいです。
志望動機・自己PR・長所と短所の違い
面接では、志望動機・自己PR・長所と短所を聞かれる場合が多いです。それぞれを混同している人もいますが、意味合いはすべて異なっています。
質問の意図を理解せずに回答するとそのズレを指摘される恐れがあるため、要注意です。必ずそれぞれの違いを理解したうえで、面接に臨んでください。
志望動機は、その企業に応募した理由のことです。それに対して自己PRでは、それまでの経験から自分自身が得た強みをアピールします。長所と短所は、もともとの性格・人間性・人柄を示すものです。
なかには、志望動機を聞かれて、その企業でどのように活躍したいかを答えてしまう人もいますが、どのように活躍したいかについては、自分の強みとともに自己PRでアピールしましょう。
ドライバー面接のコツ
ドライバーの面接で特に重視されているのは人柄です。普通免許さえ持っていれば、大型免許をはじめとする仕事に必要な免許を持っていなくても採用される可能性があります。
ドライバーとしての採用を目指すうえでは、面接でハキハキ明るく話すことが大切です。面接では、他の社員や顧客とスムーズにコミュニケーションがとれるかどうかがチェックされているため、未経験でも自信を持って面接に臨みましょう。
ただし、社会人としての基本的なマナーが身についていないと判断されれば、不採用になる恐れがあります。指定された持ち物を忘れたり、遅刻しそうな場面で連絡を怠ったりしないよう、注意しましょう。
まとめ:ドライバーの面接では事前準備が必要不可欠!
ドライバーの面接では人柄が重視されるため、未経験だからといって面接で不利になることはありません。ただし、明らかに準備不足である場合、印象が悪くなるため注意が必要です。持ち物や服装をきちんと整え、よくある質問への回答もしっかり準備したうえで面接を受けてください。また、遅刻しないよう、余裕を持って面接場所へ向かうことが大切です。
文責:働きやすい職場のミカタ編集部